CONTAX645 Planar80mm
T* RVP50
書こうかどうしようかと悩んでいたのですが、自分の考えをまとめるためにも
書いておこうかと思います。これはあくまでボクの個人的見解ですので賛否両論
あるかと思いますが、お許しください。
上富良野のトリックアート美術館の横に大観覧車が建設されるという話はどうや
ら本当のよう。まさか、とは思っていたのですがまぎれもない事実のようです。
この件については地元でも動きはあるようなので、町民でもない僕らが出る幕の
ない話ですし事の成り行きは見守るしかありません。上富良野町の人々を信じる
しかないのかもしれません。
個人の土地の利用については、やはり他人が口出し出来るものではありませんし
合法的に物事を進めているのであれば、それを阻止する事も今の日本では無理な
ことです。許可を出す行政としては、法的に問題がないものを不許可にはできな
いのです。そこに、感情論が入る余地は行政にはありませんし、逆に入ってしま
っては公正公平な行政運営は行えません。ご遠慮いただきたいのだが、やむなし。
これが原則です。条例などで一定の規制をかけているのであれば不許可にはでき
るでしょうが、不許可条件に当てはまらない場合、やむを得ず許可、となってし
まうことでしょう。
しかし、景観を売りにしている美瑛・上富良野地区の行政がこの事を許してしま
って良いのかどうかの議論は別問題だと思います。今回の行為が今後の上富良野
町に与える影響をもっと慎重に議論すべきではないかと思うのです。トリックア
ートの経営者の理念をウェブで見て、地元に対する思いは理解出来ました。今回
の行為も単なる集客目的ではなく、地元を思っての行為なのかもしれません。地
元民としてもそういった面があり反対出来ない部分もあるかもしれません。役場
にしてみても、大きな税収源なので無下に断れないのかもしれません。しかし、
そこは上富良野町全体で自分たちの貴重な財産について議論してほしい。農業の
効率化の為に丘が均平化されていくのとは次元の違う話です。観光や集客、雇用
の確保といった事を考えるにあたって、観覧車はあまりにお粗末なセンスです。
誤解を恐れずに言うならば、田舎モンの発想だと思います。美瑛・富良野を訪れ
る人々の誰が遊園地を望んでいるというのでしょう。いい景色を高い場所からも
という発想なのでしょうが、観覧車がその景色をぶちこわしてしまう事をわかっ
ていませんね。上の写真の左の部分に観覧車がある光景はあまりに不自然です。
これは美瑛でもそうなのですが、北海道の人、地元の人ほど自然の景観の素晴ら
しさが日常的にありすぎて、有り難みを感じていないのではないかと思う事があ
ります。北海道観光の最大のアピールポイントであるはずの自然の景観をなぜも
っと大切にしてくれないのでしょう。そんな事はわかってるよ、住んでから言え
という声が聞こえてきそうですが、観覧車なんてものをゆるしてしまっては、逆
にあんた達わかってないよ、と言いたくなります。
これは、ボクが写真を撮っている身だから感じるわけではないと思います。
もちろん、ボク自身も家を美瑛に建てさせてもらうにあたっては、多くの木を切
り、土地も削り、いままでなかった道も作りました。自然を壊して建てさせても
らったわけです。こんな事、言えた立場ではないのかもしれませんね。しかし、
どうポジティブに考えても観覧車があの場所に、というセンスにはあきれてしま
います。出来る事ならば、上富良野町のセンスある判断をお願いしたいものです。